戦時中の話 5

大東亜戦争、今で言う太平洋戦争、が始まってからの日本軍の南進の速度は驚異的でした。
アレヨアレヨという間にに南方の島々からフィリッピン、香港、マレーシア、タイ、ジャワ、セベレス、
ボルネオ、など次々に占領が続くのですから、地図を片手に日本の赤の色で塗りつぶしていくのが忙しい
ほどでした。 このような地名は小学5-6年の時に憶えたものです。
このような状態だったので、日本の軍隊は本当に無敵の皇軍だと子供心に信じて疑いませんでした。
ビルマからインドへ、いわゆるインパール作戦や、ガダルカナル島の名前が出てくる頃から少し様子が
変だなという感じはしました。戦後になって聞けば、すざましい戦いが繰り広がられ悲惨な敗退が始まって
いたのでした。
しかし、まだ当時食糧事情も普通で、銃後の守りは万全だと、我等軍国小国民は意気軒昂でありました。
非常時だ、贅沢は敵だ、米英撃滅等々勇ましいスローガンには事欠きませんでした。